ドラゴンの眼(スティーブン・キング)



ドラゴンの心を持つ勇敢な王子、ピーターと魔法の水晶を持つ邪悪な魔術師、 フラッグの正義と勇気をかけた闘いが始まります。
闇の中に隠された真実はドラゴンが全て知っている・・・
その日、デレイン王国に激しい雪嵐が吹き荒れました。正義と悪。手に汗にぎる運命の大脱出劇は、成功するのか?! 運命の大逆転は?
デレイン王国の若い王子ピーターは魔術師フラッグの策略で、 父、ローランド王を殺しとの濡れ衣を着せられて、針の塔の頂上に監禁されてしまいます。ピーターの弟であるトマス王子は、 魔術師フラッグによるローランド王の殺害現場をローランド王が倒したドラゴンの剥製にされた眼を通して目撃していましたが、 フラッグの言いなりになってしまって、王位を継承することになります。果たしてピーター王子は、針の塔から脱出して、 フラッグの悪行を暴くことが出来るのか・・・。そしてトマス王子の運命は・・・。



作者紹介
スティーブン・キング
ホラー小説家に分類されていますが、ホラーというジャンルではない小説も多々あったはず。

この本は、キングの娘ナオミ・キングと、ピーター・ストラウブの息子ベン・ストラウブに捧げられた、 ジュブナイル・ファンタジー小説である。
と言っていますが、ファンタジー好きなら誰でも楽しめるファンタジー小説だと思います。 物語は、老王ローランドが治世する平和な国デレイン王国を舞台に、ローランドの二人の王子ピーターとトマス、 そしてトマス王子を王位に付け、王国の支配を目論む魔術師フラッグの物語で、 内容は、ファンタジーの正に王道を行く、単純明快、神話的な物語で、登場人物も(ファンタジーっぽく)普通、平凡な国王と、 賢く美しい王妃、悪い魔法使い、賢い勇敢な王子と対照的なとろい(ォィ)王子などが登場して、 私たちの期待通りに物語りはすすみます。
しかし、そこからはキングの見せ所!!
物語の枝葉の部分の描写が細かくて、キャラクターを可憐に動かして、 何気なく語られた一般的なエピソードが、後に重要な伏線となって、読者に感動させてしまうことになる・・・のかな?

また、この本は、キングが物語る一連の「暗黒の塔」シリーズを中心とする連作の一遍で、さまざまなキャラクターが登場します。
「ドラゴンの眼」では、悪の代名詞フラッグのデレイン王国における、 数百年の悪行の幾つかを垣間見る事が出来るし、「暗黒の塔」で暗黒の塔を追い求めるローランドは、「ドラゴンの眼」では、 老いた王として登場して、フラッグ探しの旅に出たトマス王子とデニスは、後にローランドとジェイクによって、 安否を確認されることになります。
たとえそんな事を知らない人にとっても、この小説は面白いし、全世界の子供たち、 そして大人たちにとっても、読みやすく、贈りたい本であると思います。

現在フランスでアニメーション映画化が進んでいる。という話を聞いたことがあるんですが、どうなんでしょう?本当に映画化?!
また、この本は元々は文藝春秋社で出版準備が進められていたらしいですが、諸般の事情で版元をアーティストハウスに変えて、 無事出版にこぎつけたものらしいです。

それから、彼はあと数冊を発表したら引退されるようです。 残念だなぁ〜。






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