The Last Samurai/ラスト・サムライ

物語のあらすじ


ネイサン・オールグレン大尉(トム・クルーズ)はさまよえる男だ。
彼が戦った戦闘は今や過去のささやかな出来事に変わり果てた。彼はかつて名誉と国のために命を賭けた。

そんな彼も南北戦争以降の数年間にすっかり変わり果てた世界には抗えず、ウォシタ川の岸近くの平原で、オールグレンは魂を失った。
はるか遠く離れた地では、もう一人の戦士、勝元(渡辺謙)が、自分の信じてきた生き方が危機にさらされていることに気づいていた。
近代は伝統的な日本をも飲み込もうとしていた。
発展の象徴である電線と鉄道が国土を覆い、サムライが何世紀にもわたって生き死にの拠り所としてきた価値観や規範は軽んじられる ようになった。
しかし勝元は戦わずして去るつもりはなかった。

日本の若き天皇(中村七之助)が、日本市場で金儲けを目論むアメリカ人達の助言を受け入れて日本初の近代的軍隊を訓練する教官 としてオールグレンを雇った時、二人の戦士の運命がひとつに重なった。
その頃、天皇の側近達は、 外国貿易に積極的な近代国家の建設を目指し、サムライの根絶を企てていた。やがてサムライと遭遇したオールグレンは、 彼らの生き方に思いがけなく大きく心を動かされる。
それは、彼らの堅固な信念が、かつての自分の姿を思い出させるものだったからだ。

さまよえるアメリカ人戦士は、人生も、そしておそらくそれよりも大切な魂をも不安定な状態のまま、苛酷な未知の土地に足を踏み入れ、 最後に残った誇りと名誉だけに導かれて、自分たちの「生き様」を変わろうとする世代にぶつけ、果てようとしていた。




見た感じ


ハリウッドが日本を題材にした映画を作ったということなので、実は時代考証が滅茶苦茶な映画を想像していました。(ゴメンナサイ…)
でも、観たところ意外としっかりした作りでした。細かい点ではつっこみどころ満載ですが、この映画に関わる人たちがすごく幕末あたり の時代等々について勉強したのではないかと感じられます。
主演のトム・クルーズが訳ありで、アル中だったり、真田広之に木刀で打たれて鼻血を出したり、 泥水まみれになったりとかなりに汚れ役を引き受けている点が今までの映画にはなかったんじゃないでしょうか?
トム・クルーズ主演の映画をすべて見ているわけではないので解りませんが、『ミッション・インポッシブル』などの映画 では彼は少しも汚れませんでしたから(笑)

え〜っと、この映画では勝元を演じる渡辺謙が光ります。光まくってます。
不自然なまでに英語に堪能な点を除いては、非常に格好いいです。逆に真田広之はもっと存在感を出せたらいいなと感じました。
台詞がすごく少なくて、「ただひたすら脇役」という感じを受けました。

いろいろ「え?」と思うことはありますが日本人ではなく、海外から見た日本の侍魂という抽象的なものと、 武士道とトム・クルーズを中心に据えていることからすれば限界まで表現されていたんじゃないでしょうか。

あえて言うなら特に一番不自然なのは、幕末の日本に勝元のような戦国武将はいないだろうと。
それに幕末だったら鉄砲ぐらい使うだろう・・・ってことですね。

しかし明治天皇を弱々しい傀儡の人間として描いているあたりはさすがだと感じます。
これは日本映画や大河ドラマでは到底真似できないでしょう。


アメリカに比べ日本が格好良く描かれすぎているせいか、この映画はハリウッドでは厳しい評価をされているらしいです。
その理由の一つとして「武士階級を美化しすぎている」というのがあります。確かにこの映画は武士道を美化していますが、 NHKの大河ドラマに比べたらかなりマシなんじゃないですか??

それに、『ラストサムライ』は武士道を手放しで絶賛しているわけではないと感じます。
その理由として、武士道を貫いた勝元達は新兵器の前にあっけなく死んでいきました。しかし武士道と欧米の感覚の両方を身につけた トム・クルーズだけが生き延びました。ここに制作者のメッセージが込められていると思います。
生き残るには、欧米型の感覚だけでもダメ、日本の伝統(武士道)だけでもダメ、両方を兼ね備えていくのがよいと受け取れます。

生き延びたトム・クルーズが「勝元の死に様が聞きたい」と質問した天皇に「死に様ではなく、生き様をお話しします」 と言うシーンはなかなか深いです。
現代を生きる人に「どう死ぬか」ではなく、「どう生きるか」を考えろよ!!というメッセージだと私は受け取りました。
しかし、「なぜ生きなければならないのか」というもっと深いところの理由がはっきりしてこそ、 文明にもたらされた利器も武士道精神も生きてくると思いますねぇ。
いやぁ、熱い日本が見られました。




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